頚動脈超音波検査
近年日本では高齢化や食生活の欧米化に伴い動脈硬化性に起因する疾患が増加しています。頚動脈は動脈硬化の好発部位であることから、頚動脈の動脈硬化の程度から、全身の動脈硬化の進行をおおむね把握することができます。頚動脈は体表近くの血管であるため、超音波での描出が容易で詳細な観察が可能となり、全身の動脈硬化や脳血管疾患の評価に用いられます。
検査の結果
超音波で観察できる範囲
ブラーク(降起病変)の評価
上図は頚動脈硬化が疑われます。(IMT=1.3mm)
ブラークは血管壁の内面が周囲より突出した降起性病変で、血栓、脂肪性、繊維性など様々な形態をとり、頚動脈の狭窄や閉塞、また脳梗塞や脳虚血を起こす原因になる恐れがあります。血流の方向が変わる血管分岐部(BIF)などは最もブラークができやすい場所です。
最後に
頚動脈超音波検査は非侵襲的であり、繰り返し検査ができるという利点があるため全身の動脈硬化の評価にも有用です。今後、頚動脈超音波検査の必要性はさらに高まっていくものと思われます。